
シャワーは、エコと快適のキー・デバイス。
僕らが世界に「コンフォートウエーブシャワー」を届けたい理由
<前半>
2017年春、TOTOから新たな吐水方式を搭載した「コンフォートウエーブシャワー」が登場しました。ラインアップは、手持ちで使うハンドシャワーと、天井に固定して設置するオーバーヘッドシャワーの2タイプ。エコと浴び心地を両立した画期的商品「エアインシャワー」がすっかり市場に定着した中、あえて新たなシャワーが生まれた背景とは。そして、開発者たちが目指すものとは――。最新シャワー開発の裏話を、前後半に分けてお届けします。

宮崎 将輝(みやざき・まさてる)
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2002年TOTO株式会社入社
機器水栓事業部にて住宅・パブリック向け水栓の商品開発を担当。 -
2011年総合研究所にて要素研究に従事。
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2013年 ~機器水栓事業部にてグローバル商品の開発を担当。

早田 修平(はやた・しゅうへい)
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2005年TOTO株式会社入社
TOTOウォシュレットテクノに所属し、商品開発業務を担当。
水路系ユニットの開発、自製化を担当。 -
2010年総合研究所に異動。主にウォシュレット、シャワーのコア吐水技術
の研究業務を担当。 -
2015年 ~水栓グローバル事業推進部に駐在し、17グローバル商品(オーバーヘッドシャワー)の開発業務を担当。
エコはもう当たり前。
では、どこで差をつけよう?
日本は水が豊かだ。私たちの多くは日常的に節水意識を持ってはいるものの、恵まれたこの国には節水商品に関する法的規制は存在しない。ところが、他国では事情が違う。最も節水の法規が厳しいとされるアメリカ西海岸のカリフォルニアでは、2gpm、つまり1分間に2ガロン(約7.6リットル)以上の水を使う製品を売ることが禁止され、その基準は今後さらに引き上げられる予定だ。グローバルにおいては日本以上に、節水はもはや「当たり前」の技術なのだ。
そして「コンフォートウエーブシャワー」は、そんな節水スタンダードを持つグローバル市場に目を向けて開発された商品である。
宮崎
2010年に節水と浴び心地を両立させたエアインシャワーを発売して以来、多くの方々から高い評価をいただきました。エアインシャワーは、感性工学に基づき「浴び心地」という曖昧な感性を数値化し、水に空気を含ませることで節水しながらもたっぷりでやさしい浴び心地を実現しました。でも当然、一つの商品でみんなが100点をくれるわけではなくて……。「刺激がものたりない」という声もありました。
それでお客様の声を掘り下げていくと、低水圧地域の現場が多いことが分かりました。シャワーの勢いや浴び心地は取り付ける現場の水圧に大きく左右されます。各国により水道事情は全く異なりますし、世界的に見れば日本より水圧事情の悪い地域はたくさんある……節水力を維持しながら、低水圧でも高い浴び心地を実現できる技術の開発が必要でした。

宮崎
ハンドシャワーの吐水モードとしては、3つとも新技術です。他社の製品を見ていると、多モードタイプの商品って結構多いんですよ。1台で5モードもあったり。でも「これ本当に使うのかな?」というのもあって。
今回は、きちんと使用シーンを想定するとともに、各技術の特徴を最大限に活かした吐水モードを搭載することにこだわりました。基本となるモードは、節水と適度な刺激感を両立した「コンフォートウエーブ」。そして、身体を包み込むような流れで保温効果が高い「ウォームピラー」に、大粒の水玉を勢いよく吐水して爽快な刺激感のある「アクティブウエーブ」、といった具合に。
早田 今回の開発の大きな目標は、「海外主要メーカーから学び、ものづくりに活かすこと」。開発当初には他社商品を何十個も購入し、片っ端から使って浴び心地や機能を分析しました。そこから得られた気付きを取り入れて作られたシャワーなので、他にはない価値が実現できていると思いますね。

商品の詳細をチェック!
技術開発の話に入る前に、まず「コンフォートウエーブシャワー」の基本機能を見てみよう。



ラインナップは大きく分けてハンドシャワーとオーバーヘッドシャワーの2種。大粒の水玉をスイングしながら勢いよく吐水し適度な刺激感をもたらす「コンフォートウエーブ」、爽快な刺激のある「アクティブウエーブ」、とぎれない柱状のお湯で体を包みこむ「ウォームピラー」の3モードを、手元のボタン操作で切り替えることができる。

