TOTOが音姫を最初に発売したのは1988年。最初はボタンを押すと音が出るものでした。音姫のような音消し装置は、恐らく日本にしかありません。国民性の違いによって、小用時の音を恥ずかしがるのは外国(欧米)の女の人にはほとんどないようです。
TOTOが音姫を発売する前にすでにいくつかの会社から音消し装置が発売されていましたが、シャワーの音のようなものや、ラジオの雑音のようなもの、メロディや警報が流れるものなど、様々なバリエーションがあったため、川のせせらぎのように聞こえるものもあったかもしれません。
TOTOで音姫の音を決める際もクラシック音楽や鳥の声など色々な音を検討しました。しかし結局は、トイレから聞こえてきても不自然さを感じさせない音という事でトイレの洗浄音になりました。
公衆トイレがきれいに整備されてきたのは、ちょうど音姫が発売された80年代終わりからで、トイレに音消し装置が普及し始めたのもその頃から。特に夏は水不足で節水が叫ばれていたため、女性の2度流し習慣が見逃せない問題になってきてきました。また、2度流しは水道料金がかさむため、ビルなどのオーナーや管理者にとっては一度音姫を取り付けてしまえばランニングコストを抑えられるというメリットもあり、だんだんポピュラーな装置になってきました。
音消し装置は、実は江戸時代にはすでにありました。その頃の女の人はトイレに入るのを見られたり、音を聞かれたりすることはたしなみに反することでした。また、昔のトイレは水洗式でなくボットン式で、下に溜まってる具合によっては用を足す音が響いてしまったため、お姫様や身分の高い人は音のカモフラージュが不可欠でした。
音消し装置には備え付けのものと携帯用のものがありました。備え付けタイプは「音消し壷」。壷の下の方に栓が付いていて、その栓を抜くと壷の中の水がこぼれるもの。身分の高い人がトイレを使ってる間、お付きの人はこの栓を抜いて水を出して音をごまかしていました。これはトイレ後に手を洗うこともできます。