ユニバーサルデザインの新しい形を提示
大阪・関西万博 日本館
2025.6.24


日本館のテーマは「いのちと、いのちの、あいだに」。だれもが快適に利用できることを目指し、当事者参加型の設計アプローチを導入。障がい者、高齢者、性的マイノリティといった多様な方々が参加するワークショップを開催。数値では測れない、新しい形のユニバーサルデザインを提示している。
パブリックレポート(6月発行)において本件の、取材記事も掲載しています。合わせてご覧ください。こちら→
「循環」をコンセプトにした円環状の構造
大阪・関西万博(EXPO2025)において、日本館は「いのちと、いのちの、あいだに」をテーマとしたパビリオン。循環をコンセプトに国産杉のCLTを用いた無数の木の板が円環状の構造で、建築として「いのちのリレー」を体現している。CLTは解体後の再利用を前提としており、循環の一部を成す。木の板のすき間は、展示空間の内と外をゆるやかにつなぐ。館内はプラント、ファーム、ファクトリーの3つのエリアで構成されている。パビリオン全体でひとつの循環を表現しており、循環の過程をインスタレーションで追体験できる。館内を一周することで、日本の美意識である循環を表現している。
ユニバーサルデザインの新しい形を提示するための取り組み
だれもが快適に利用できることを目指し、当事者参加型の設計アプローチを導入。障がい者、高齢者、性的マイノリティなど、多様な背景を持つ人々が参加するワークショップを、設計・施工の各段階で開催。対話を重ねることで新たな気づきを得て、その意見を反映。数値では測れない、新しい形のユニバーサルデザインを提示している。
「話題の建築と水まわり」として、大阪・関西万博のTOTOによる取材レポートを公開しています。
※TOTOは日本館の代表的な展示のプランニングには関わっておりません。
※動画(ドローン・ウォークスルー)は開催前に特別な許可を得て撮影をしています。工事期間中の撮影につき、一部完成建物と異なる箇所がありますがあらかじめご了承ください。
多様な使用者に対し、多様な設備を配置
「できる限り多くの人が快適に利用できるトイレ」を目指し、館内には異なるタイプの設備を整え、多様な利用者に配慮したバランスの取れた配置を実現している。特に個室型トイレ(男女共用)は、ブースごとに広さや設備を変え、例えば、オストメイト対応ブースをバリアフリートイレとは別に設置するなど、機能を分散させて混雑緩和を図っている。さらに、乳幼児連れの方や介護を必要とする利用者でも快適に使用できる広めのトイレも用意。ファミリー向けの設備や発達障がいへの配慮が随所に生かされている。大便器は、快適性と節水効果を両立しすっきりとした空間を創出するパブリック向けウォシュレット一体形便器。ベッセル式洗面器は、高級感や個性を演出している。
・パブリックトイレレポート
本現場のインタビュー記事が掲載されています。詳しくはこちら→
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