誰もが使いやすい、ミライのトイレ

大阪・関西万博 大阪ヘルスケアパビリオン

2025.5.23

「大阪ヘルスケアパビリオン」は、大阪府と大阪市が地域の産学官民と連携して出展。パビリオンは「REBORN(リボーン)」をテーマに、「いのち」と「健康」の観点から、2050年を想定したミライの都市生活やヘルスケアを体験できる。トイレも、展示スペースの一部として計画。「誰もが使いやすい、ミライのトイレ」を目指し、 UD推進チームを結成し、徹底的に検討を積み重ね、「自由に選べる、みんなに優しいトイレ」が完成した。

多様な個性が集まる大阪を体現した「大阪ヘルスケアパビリオン」

透明な膜屋根に水が流れ、滝のように水盤に落ちる美しい外観である。屋根上から定期的に水が流れ落ちて循環するシステムを採用している。本館棟は、中央に吹き抜けのアトリウムを配置し、楕円形の展示エリアが有機的に重なり合う設計。膜屋根は多様な個性が集まる大阪を体現している。

トイレも展示スペースの一部として計画

施設空間は、ユニバーサルデザインが積極的に取り入れられている。トイレも、展示スペースの一部として計画された。トイレ入口のサイネージ画面には、個室の使用状況を表示。視認性向上のため、ピクトグラムの掲示高さや大きさにもこだわっている。天井には、紙おむつと淀川のヨシを再利用し、照明が組み込まれた紙管を採用。紙管でできたベンチも本施設内に設置されている。

※動画(ドローン・ウォークスルー)は開催前に特別な許可を得て撮影をしています。工事期間中の撮影につき、一部完成建物と異なる箇所がありますがあらかじめご了承ください。

多様な利用者と協議した「みんなトイレ」

「みんなトイレ」と名付けられたトイレは、「誰もが使いやすい、ミライのトイレ」を目指している。車いす使用者、視覚・聴覚・知的・発達障がいなどさまざまな障がいを抱える方とその介助者、性的マイノリティ、医療的ケア児や子育て中の方など、従来のトイレに不便を感じる「お困りごと当事者」のメンバーと、ユニバーサルデザインのエキスパート、事務局、設計・施工受託者による大阪パビリオンのメンバー、TOTOなどの作り手企業で「UD推進チーム」を結成し、みんなでレイアウトを検討。さらに、TOTOテクニカルセンター大阪にて、設備や空間を確認、原寸大の図面上を歩いて動線や待ち列の位置を確認するなど、徹底的に検討を積み重ねた。トイレ入口に掲示されたコンセプトボードは、「みんなトイレ」完成までのプロセスや利用シーンをわかりやすく掲示。触知図や音声案内、ナビレンス(※視覚障害者や高齢者などの移動をサポートするアプリ)も導入。さまざまな身体状況の方に利用しやすい案内を提供している。

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